昨年度のセキュリティ対策、何をした!?【名古屋コミュニティ(Ikomai)Meetup Vol.3 活動レポート】
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はじめに
こんにちは!マクニカ コミュニティマネージャーの髙橋です!
マクニカでは、サイバーセキュリティをテーマに、立場や役割の異なる人たちが集い、リアルな知見を持ち寄りながら学び合うコミュニティ活動を行っています。
東海地域で展開するIkomaiでは、『止めたらあかん責任がある。モノづくりの東海から、いこまい、セキュリティ。』をスローガンに掲げ、セキュリティを担う皆さんと一緒に活動しています。サプライチェーンの要である東海エリアだからこそ、一社の取り組みが地域全体の力になってほしいという想いを込めています。また、私たちが大切にしているのは、「本音」「考えの整理」「つながり」「実践」「自信を持つ」、という5つのキーワードです。
これらのスローガンや大切にしていることを、多くの皆さんにも体感いただき、皆さんにとってのコミュニティの場を一緒に作っていければと思っています。
2026年5月29日(金)に開催した、Ikomai Meetup Vol.3では、「昨年度のセキュリティ対策、何をした!?」をテーマに、各社が昨年度に実施した取り組みの"振り返り"にフォーカスし、それぞれの「リアル」を語り合う時間となりました。このブログを通して、当日の熱量を少しでも感じていただけたら嬉しく思います!!
目次
- なぜ「昨年度の振り返り」をテーマにしたのか?
- 当日の様子とライトニングトーク
- 各社の取り組みから見えた、3つの視点
- グループディスカッション
- Vol.3の新たな試み
- おわりに
なぜ「昨年度の振り返り」をテーマにしたのか?
セキュリティ対策は、限られた予算と時間の中で、意思決定の連続です。
「なぜその施策を選んだのか」「その投資は妥当だったのか」「やってみて、新たに見えたものは何か」など、そうした"判断の背景"と"実施後のリアル"は、普段なかなか他社と共有する機会がありません。成功事例として語られることはあっても、迷いや失敗、見送った判断まで含めて赤裸々に語られる場は、ほとんど存在しないのではないでしょうか。
だからこそ今回は、チャタムハウスルールのもと、オフレコ前提で「正解」ではなく「リアル」を持ち寄る場にしたいと、リーダー企業と協議を行い、テーマを設定しました。
各社の取り組みを評価したり、優劣をつけたりする場ではなく、それぞれの取り組みをもとに「自社ならどう判断するか」を考え、判断軸を持ち帰っていただく。迷いや試行錯誤も含めた共有を通じて、次の一手に自信を持てるように思いを込めています。
当日の様子とライトニングトーク
冒頭のライトニングトークでは、初参加の方を中心に、複数名の方にご登壇いただきました。それぞれ異なるキャリアを歩みながらも、「事業を支えたい」「組織をより良くしたい」という想いを持ってセキュリティに向き合われている姿が印象的でした。バックグラウンドは様々でも、経営との向き合い方や、組織全体をどう巻き込むかといった共通の悩みが次々と語られ、初対面とは思えない一体感が生まれていました。
そして、セキュリティの話だけでなく、釣りや家庭菜園、スポーツといった趣味の話題も飛び出し、気付けば「釣り好きが意外と多い」という事実も判明しました(笑)。仕事の話から始まりながらも、人となりに触れることで会話が広がっていくのも、コミュニティの楽しい一面だと感じました!
各社のセキュリティ投資から見えた、3つのポイント
今回のメインは、各社による昨年度の取り組みの共有です。複数の企業の方々に「何をして、何が見えたか」を語っていただきました。
ここで共有された内容は、正直、このブログでは詳しくお伝えできないほど赤裸々なものばかりでした。チャタムハウスルールのもとだからこそ語っていただけた、生々しい実態や葛藤は、ここに集まる人しか聞けないという言葉そのものでした。
具体的な中身はお伝えできませんが、事務局として強く印象に残ったことを「3つの視点」という形で、お届けしたいと思います。
① 投資判断には「解像度」がある
「いつ・どのくらいの投資をして・その結果どうなったか」を共有いただきました。
完全な対策が不可能であることを前提に、できていないことまで含めて、経営層に正直に伝えるという姿勢。
「できたことだけを報告する」よりも、「できていないことを整理して伝える」方が、経営層との信頼関係を築き、次の投資につながっていくというメッセージ。
シンプルですが、実践するには覚悟がいる考え方だと思います。
セキュリティの本質は、ツールの優劣ではなく「どこに・なぜ投資するか」という意思決定にあるということを、改めて教えていただいた気がします。
② 計画は「立てた瞬間」から変化に晒される
語られたのは成功談だけではありません。
マンネリ化してしまった施策、思うように進まなかった取り組み、整備したはずの体制やルールがいつの間にか形骸化していた現実など、「やってみて初めて分かる限界」を、包み隠さず共有いただきました。
特に印象的だったのは、「策定したばかりの計画を、他社で起きた大きなインシデントを受けて、すぐ見直した」というお話です。計画は、立てた瞬間から脅威の変化に晒されていくため、完璧な計画を一度つくることよりも、変化に追従し続ける力の方が大切なのだと、多くの参加者がうなずいていました。
③ 「踏み込んで語る勇気」が、場の熱量をつくる
何より印象的だったのは、皆さんの熱量でした。
「これはうまくいかなかった」という失敗を、具体的に語ることや、「それ以前は行き当たりばったりだった」と正直に明言すること。
自社の体制やリソースの現実を、建前ではなく本音で見せること。
フレームワークを使って自社の対策を体系的に整理し、できていること・できていないことを一つひとつ開示すること。
誰かが正直に一歩踏み込むと、場全体に「本音で話していい」という空気が広がっていきます。その連鎖こそが、今回のMeetupの熱量そのものでした。こうした本音の共有は、Ikomaiが大切にしている「本音」「つながり」「実践」「自信を持つ」という価値が、まさに体現された瞬間だったと思います。踏み込んで勇気ある共有をいただいたご登壇者の皆さま、本当にありがとうございました!
今回、実はオープニングの時点ですでに10分以上のオーバータイム。もちろん時間管理はしていたのですが、それを上回る勢いで登壇内容、質疑応答が盛り上がってしまい、最終的には全体で30分オーバー。それでも、それだけ皆さんの熱量が高かったということで、アンケートにも時間が足りないとうフィードバックもありました!事務局としては、嬉しい誤算でした...!
グループディスカッションの様子
事例の共有を踏まえ、「学び&興味深かったこと」と「持ち帰りたいこと」の2軸で、グループディスカッションを行いました。
学びを付箋に書いてホワイトボードに貼っていくスタイルでしたが、参加者の皆さんの会話があまりにも活発で、付箋が追いつかない...!そこで急遽、事務局メンバーが議論の流れをホワイトボードに直接メモ書きしていくスタイルへと、自然に進化しました(笑)。運営側も皆さんに楽しんでディスカッションいただけるよう、必死に支援させていただきました!
各グループからは、予算の考え方、サプライチェーンセキュリティ評価制度への対応、グループ全体のセキュリティ統制、経営層への説明、社内教育、アカウント乗っ取り後の対応など、現場の切実なテーマが次々と挙がりました。「ここでしか話せない」本音の議論が、あちこちで展開されていました。
Vol.3の新たな試み
今回のVol.3では、コミュニティをさらに盛り上げるべく、いくつかの新しい試みにチャレンジしました!
①MVP(Most Ikomai Player)制度&オリジナルステッカー作成
Ikomaiを体現してくださった方に、オリジナルステッカーを進呈する制度を始めました。選定基準は3つの観点で、「Emulation(敬意を持って見習いたい共有)」「Real(最もリアルだった共有)」「Brave(最も踏み込んでくれた共有)」です。ステッカーをたくさん集めた方には、表彰式での授与も企画しています。さっそく今回だけで2枚を獲得された方も!
②オフレコ質問BOX
当日のセッションでは、質問しきれないことも多い、というフィードバックがあったことで、匿名で質問を投稿できるBOXを新設しました。投稿いただいた質問は、懇親会でお披露目です!
③新リーダー企業のご紹介
新たにIkomaiを盛り上げてくださるリーダー企業をご紹介しました。地域のコミュニティは、こうした有志の方々に支えられています。引き続き、よろしくお願いいたします!
こうした新しい仕掛けも取り入れながら、Ikomaiに「参加して楽しい」「また来たい」と思っていただける場を目指していきます。
懇親会の様子
第2部の懇親会は、いままで以上に大盛況でした!
会場を貸し切り、周りを気にせず、遠慮なく議論できる環境だったこともあり、円卓で中華料理を囲みながら、本音トークがさらに加速しました。
目玉は、オフレコ質問BOXです。回収した質問用紙の裏に番号を振り、「○番の方!」と当てられた人がその質問と書かれていることを読み上げて、ご自身の考えを回答するスタイルで、回答を終えた方が次の番号をコールします。どのタイミングで回ってくるかわからないワクワク感もあり(?)、想像以上に盛り上がりました!指名された方の回答に対して、「それ、うちはこうしてます」と割り込みの回答が飛んできたり、「自分にも言わせてくれ」と手が挙がったり...。気付けば、一つの質問から議論がどんどん広がりました。普段は言えないような「ここでしか話せない」を、最後の最後まで体現してくれたような懇親会でした。
おわりに
今回のMeetupを通じて、改めて感じたことがあります。
それは、セキュリティは技術だけでは成り立たない、ということです。どんなに優れたツールや仕組みがあっても、それを動かすのは「人」であり、限られたリソースの中で「どこに・なぜ投資するか」を判断するのも、最後は人です。その判断の背景や迷いを、立場を越えて本音で共有できる場があることが、何より価値のあることだと思います。
「自社だけじゃなかった」「あの判断、参考になる」、そんな気づきを一つでも多く持ち帰っていただけていたら、事務局としてこれ以上嬉しいことはありません。
もう一つ大切なことは、一人で抱え込まないことです。同じ課題に向き合う人たちと出会い、言葉を交わし、互いの視点に触れることで、見える景色が変わります。Ikomaiは、そんな「つながり」の中から次の一歩が生まれる場所でありたいと思います。
これからも、東海エリアのセキュリティ担当者が互いに学び、正解を教わるのではなく、自分なりの判断軸を見つけられる、次の一手に少しだけ自信を持って踏み出せるような発見がある場を作れるよう、皆さんと歩んでいきたいと思います。
次回のMeetupでも、また皆さまとお会いできることを楽しみにしています!!
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